Time flies

社会人3年目の記録

美人税、夢みる機械を見て

昨日久しぶりに世にも奇妙な物語を見た。結構昔は見てたので最近はどうなんだろうと興味深かった。以下2作品について見たので、概要と感想を書いてみる。

・美人税(ネタバレあり)

美人はその容姿で社会的、経済的に得をしているということで、税を課すというもの。

主人公の佐々木希は美人税20%という芸能人ランクの税をかけられた。初めの方は不満に思う佐々木であったが、次第に美人税を自身の美しさの証拠だと思いステータスに思い始める。

しばらくした時、母が倒れたという知らせを受ける。残された遺書には、すべての資産を佐々木に継がせる、との内容があった。
しかし、母も佐々木も相当ランクの美人であるため、税引き後の資産はむしろ赤字になってしまう、という。

そんな時出会ったホスト風の男から、不美人グッズを勧められる。それを活用した結果、美人税を免れた佐々木。そのうえ、その男から両親にあってほしいと結婚まで匂わせられ…と順風満帆な佐々木だった。

相手の両親と会う日にちが近づいてきたある朝、ピンポンが鳴って出たところ、そこには税務署が。美人税脱税のため逮捕されてしまった。
ホスト風の男は脱税指南かつ結婚詐欺で有名な男だったのだ。それから留置所にいれられ…(この辺はトイレ行ってて見てなかった)

なんとか留置所を出たらしい(?)佐々木は、見た目だけでなく中身も美しくなろうと決意する。

佐々木は公園を散歩していたところ、アイスを落として泣いてしまった少女を見つけた。その子のためにアイスを買いに売店に行くと、後ろの男子小学生から「ブス!早くしろよ!」との声がする。

女の子に向けられた声だと思い、「女の子にそんなこと言っちゃダメでしょ」と諭す佐々木であったが、それは佐々木本人に向けられた言葉だった。

レジ横についた美人チェッカーでは、「No bijin!」の判定。慌てる佐々木。売店のTVCMではキンタロー似の女性が化粧品のCMに出ている。それを見て、「美人だな〜」という男たち。「なんで〜」という佐々木。

平安時代から現代にかけて、美人の定義が変わってきているという解説のニュース番組に画面が切り替わって、話は終わる。

というもの。

題材としては面白いと思った。結局のところ、国が税を課す目的=税収アップ、だから、本当の美人にだけ美人税を課してもパイが少ない。

だから、時代の流れということで、美人の定義を捻じ曲げて大多数の国民を課税対象にしちゃった、って話。

不美人グッズなどのあたりは、今でいうと果樹園とかなのかな?比喩に富ませることでこの作品の面白さはもっと増すと思った。

夢みる機械

窪田正孝が主演。工場でバイトをしつつ漫画家を目指す窪田、それを支える社会人の彼女(この子可愛かった)。

編集部を訪れた後に彼女の部屋を訪問、そこで話をしている中、ふと彼女のカバンの中に「UTOPIA財団」とバクのマークが描かれた封書があることに気がつく。それを聞くと、なんでもないと答える彼女。

窪田は家に帰ると「母さんはパートに行っている。飯はチンして食べろ。」と父から告げられる。

部屋に戻って漫画を描いていると、母親が部屋に入ってきた。「まだこんなもの書いてるの!」と咎める母に対して、反発する窪田。そのいざこざで母を押し倒してしまったところ、「ギーギー」と機械音が母からする。

そして、母の腕が外れてしまう…その腕には「UTOPIA」という刻印があった。

その後、昨日1日と同じシーンが繰り返される。工場長の声も、編集部の人のセリフも、家に帰っても、「母さんはパートに行っている。飯はチンして食べろ。」と父親が言うだけ。

同じ毎日がリピートされることに、もしかしたら周りの人が全員ロボットなのではないかと窪田は疑問を抱き始める。

ある日家に帰ると、作業服を着た男が家から出てきた。中に入ると、母親が復活している。怪しいと思った窪田は家を飛び出る。

先ほどの作業員が車に乗って去るところだった。その車には「UTOPIA」のマークがあった。

彼女のカバンの中に同社の資料があったことを思い出し、彼女宅に向かう窪田。最近のことを話し始めると、「それのどこが悪いの?人間でもロボットでもそれで社会が回るならいいじゃない?」と彼女。

混乱した窪田は彼女を押し倒す。すると、なんと彼女もロボットだったのだ。

その後(この辺もトイレ行ってた)、UTOPIA財団の本部に足を踏み入れた窪田。地下にはカプセルが陳列されており、その中には窪田の父親と母親もいた。

そこで入口から窪田を案内した女から、UTOPIA財団の秘密が暴露される。人間は誰しも夢を持っている。

しかし、その夢を叶えられないのが大多数である。だったら、本人には夢を見させて、現実社会には代替のロボットを送り込めばいいじゃないか、という思想だ。

UTOPIA財団のマークにあるバクが灰色の現実を食べ、本人にはUTOPIA(=理想郷)を体験してもらおうというものだ。

その後UTOPIA財団の創設者(白ひげの如何にもって感じの男)が現れ、君も体験してみてはどうだ?と諭す。

それに反発する窪田、しかし反抗もあえなく…といったところだったが、彼女が現れて「やめて!」と叫ぶ。

そこから2人抜け出して、彼女と暮らし始め、漫画も掲載が決まり…と順風満帆な生活。

というところだったが、「どう?これがUTOPIAの世界よ?」と彼女。

ここで窪田が目をさます。すべてUTOPIAの夢だったのだ。

それでもUTOPIAを否定する窪田。白ひげや受付の女とドンパチやって、結果的にみんなロボットだったとわかる。

UTOPIAの機械を金属バットで壊す。後ろを振り向くと、「なんで起こしたんだ」と窪田の父親や母親がこちらを見ている。

怖くなった窪田は急いで外を目指す。しかし、外の世界に出た窪田が目の当たりにしたものは…

という話だった。

管理社会、ロボット化、人間の欲といったディストピア作品だった。

「夢オチ」か「実は自分がロボットだったオチ」かと予想していたけど少し外れた。このテーマは語ることが多すぎて、30分にまとめるの大変だろうなと思った。

タイトルが「夢みる機械」だったから、ロボットが夢を見るようになって管理社会がうまくいかない、的なエピソードかと思いきや違った。夢をみる(ための)機械って意味合いだったか。

世にも奇妙な物語は、記憶、体験、ロボット系のテーマの作品が多いと思った。昔見た中で好きだったのは「記憶リセット」かな。切ないエピソード。

以上!